2019年6月19日 (水)

北斎漫画の空摺り

北斎漫画の空摺り                                            令和元年6月19日
                                                                 雪 爺
 時折、作った落雁を箱に入れ、サークルの仲間に振舞うことがあります。ただ、裸のままではちょっと失礼な気がして裁断した紙の上に置いて皆さんに渡していました。特にしっとり落雁・冠雪は少しべとつきがあるので紙は必須でした。
 しかし、そのままの紙では芸がないので、茶道などの懐紙に浮き彫りされた文様を、紙に空摺りすることにしました。空摺りは版画技法の一つで、浮世絵では着物に文様などを施すときに用いられています。趣味で版画をやっている身にとってはさほど難しいことではないでしょう。
 さて、どんなデザインにするか?いろいろ考えましたが、私の好きな葛飾北斎の漫画を使うことにしました。北斎漫画は動植物や人物など魅力的なデザインが満載されており、これまでも、自作本「現代世事熟語」や「当世風百人一首」などの挿絵として利用してきました。

 最初に作ったのは桜に鶴。まずは版木作り。デザインを反対向きにして桜板に転写し、輪郭線を除いてその内側の線を残すようにして深さ1mm程度彫り込めば出来上がり。
 次に紙。紙は腰の強い懐紙のような和紙が最上ですが、薄手の版画紙、コピー用紙でも可能です。この紙の表側だけに霧吹きでさっと一吹きしてから版の上に濡れた面を置きます。そして、親指で紙を強く押し、全体に指跡をつければ完了です。

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上は桜と鶴の版木、下はその空摺り

 意外に簡単にできたので四月の個展で即売してみようと思い立ち、桜と鶴だけでなく、いろいろなデザインを抜き出しました。ただ、なんでも空摺りにできるものではなく、蝶、桜、梅、紅葉、ききょうなどの図柄を採用しました。個展までに30数枚の版を彫り上げました。ただ、材料は彫刻したときの残材を使用したので、桧、しな、桂など桜に比べるとやや、固さは劣りますが趣味で遊ぶ程度の使用頻度なら問題ないと思い、展示場の片隅に置きました。
 最初は見向きもされませんでしたが、その場で実演し、それを見てご自身で試してみると意外に簡単にできることを理解され、多くの方が購入されました。結局、残ったのは6枚のみでした。

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残った版木

2019年4月30日 (火)

落雁木型と彫像展報告

落雁木型と彫像展の報告                平成31年4月30日
                                       雪爺
 先にご紹介しました表記展示会は無事終了致しました。12年前、同様な展示会を行いましたが、この時は朝日新聞の展覧会案内、マリヨンや地域のミニコミ誌などに掲載され、大変盛況でしたが、今回はそれもなく静かな展示会となりました。来訪者の多くは私やギャラリーの関係者でした。それが逆に来訪者の方々とゆっくりと話が出来、楽しい時間を過すことができました。
 即売品のうち木型に関しては「手持ちがなくなったら木型作りは終わり」というメッセージが利いたのか、途中彫りの木型も含め、2/3が買い上げられ、未彫り木型から「新たに彫って欲しい」との注文もありました。あまり期待していなかった仏像彫刻も数点買い上げられました。
 木型彫りを終了するということは当然のことながら「落雁作り講座」で使用する木型を支給することが出来なくなるので、展示の後、ブログから講座案内の記事を削除しました。
 平成も今日で終わり。小生の講座も平成とともに終わりとすることと致しました。これまで楽しい時間を過させていただいた受講者の皆様、ならびにその接待をしてくれた妻に感謝します。ありがとうございました。

2019年3月 1日 (金)

陰刻と陽刻・「落雁木型と彫像展」のご案内

陰刻と陽刻・「落雁木型と彫像展」のご案内    平成31年3月1日
                         雪 爺
       ご 挨 拶

 彫刻には文字や絵画を凹形に彫り込む陰刻とそれらが浮き出るように彫刻する陽刻があります。日本の伝統的陰刻は落雁木型や木版画、陽刻では仏像彫刻でしょう。
  日本各地で陽刻の彫像展はよく見かけますが陰刻展は稀にしかありません。これらの彫刻を趣味で永年彫ってきた作品を主体に今回はその両方を同時展示することを企画しました。陰刻では商用、及び自作落雁木型、陽刻では仏像、三国志群像を展示致します。本展でその違いを楽しんでいただけたら幸いです。
                        北村 征義

 これまで先行紹介して参りました表記「落雁木型と彫像展」を以下の要領で開催致します。お近くに来られた折にはお立ち寄りください。

1.開催期間
  平成31年4月10日(水)から4月21日(日)まで
  時間 午前11時より午後5時まで 最終日は午後4時まで
  定休日 4月15日(月)、16日(火)
2.場所
  相模原市千代田2-2-15 「メイプル1990」2F
  「ギャラリー・スペース游」
  交通案内:JR横浜線「相模原」下車、南口6番バス乗り場より
       相14 上溝行きは「高校入口」下車 徒歩2分
       相12 上溝行きは「市役所前」下車 徒歩7分
 なお、ここに紹介した作品のほか、趣味で作った自作本の立ち読みコーナー、落雁の試食、空摺りした紙、三国志武将や植物・風物版画、絵葉書などのプレゼントもありますのでお楽しみに。

2019年2月25日 (月)

「落雁木型と彫像展」の紹介-10

「落雁木型と彫像展」の紹介-10        平成31年2月25日
                                    雪 爺
第十回 特別展示品

屋久杉観音立像 大きさ 六寸五分
 材料 立像 屋久杉、光背、台座 桂

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  先の展示(平成十九年)で紹介した瑠璃観音を見た昔の先輩山仲間から、それを彫って欲しいとの依頼を受けました。材料は屋久島に住んでおられる娘さんから贈られた屋久杉。

 原木を見せていただいてびっくり。木目と肉の厚さが同じくらいに見える緻密な素材。切り株の一部ですが、表面には認識番号やら記号のスタンプが何個も押されていて、とても貴重な品物であることが推察されました。伝統工芸士でも一生に一度触れることができるがどうかという代物でしょう。素人彫り屋が加工できるのは全くの僥倖。

 原木のサイズを計測してみると、六寸五分の立像なら二体できると分かり、工務店を経営している兄に依頼して電動鋸で角材に加工してもらいました。彼曰く、「加工中に堅くて煙が立ち昇った」のには驚いたそうです。
 しかし、角材をよく観察すると虫食い穴やひび割れが各所にあることが分かり、穴は残材を使用して埋め、割れは瞬間接着剤で補強してから作業を始めました。途中何度も新たなひび割れが見つかり、その都度補強しながら進めました。そのため、通常このサイズの像なら一ヶ月半くらいで出来るのですが、一体完成するのに二ヶ月を要しました。二体揃ったところで一体は依頼者へ、残りの一体を譲り受けたのが本立像です。ですからこの像は双子観音の一体ということになります。

機動戦士・ガンダム立像  大きさ 七寸五分
 材料 檜

 日本サンライズ制作の日本のロボットアニメ。テレビシリーズアニメとして1979年から名古屋テレビほかで放映され、今年で40周年。
 これを記念して2008年に彫り上げた表記立像を所有者のご厚意により展示いたします。

2019年1月30日 (水)

「落雁木型と彫像展」の紹介-9

「落雁木型と彫像展」の紹介-9        平成31年1月30日
                               雪 爺
第九回 仏像

釈迦三尊像

光背、台座付三寸釈迦坐像 材料 桧

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脇侍(六寸地蔵菩薩立像と七寸瑠璃観音立像)材料 桧

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四天王像 材料 並桧

六寸持国天と多聞天

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六寸広目天と増長天

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仁王像

六寸阿形、吽形像 材料 楠

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六寸天衣付き阿形、吽形像 材料 桂

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2019年1月23日 (水)

「こいつは春から縁起がいいぞ!」

「こいつは春から縁起がいいぞ!」
                                                        平成31年1月23日
                                                             雪 爺
 先日、郵便局からお年玉付き年賀葉書きの当選番号が発表されました。小学生の頃、切手を収集していて毎年、最下等賞の切手シートが当るかどうかわくわくしながら番号合わせをしていたことを思い出します。最下等賞の当選番号は下二桁で三本、例年、約百枚程度の賀状が家に来ていたので確率的には三本当ってもよいのですが、大体は一枚当ればよいほうで、何年もゼロという状態もあり、がっかりしたこともありました。
 ところが今年はどうしたことか、下の写真のように七枚も切手シートが当りました。02、42、78の三本とも当選というのも生まれて初めての経験です。

 

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早速、郵便局に出向き、シートを受領しました。局員も78という同番号が5枚も当っていたというのにはちょっとびっくりしているようでした。
 「こいつは春から縁起がいいぞ!」四月に予定している個展も成功を収めるかも・・・・
 なにしろ切手の図柄は写真に示すように招き猫で、それぞれ左右の手を挙げてお金と来客を招いているのですから。多くの来場者が来られ、作品を沢山買ってくれて思わぬ大金を手にすることができるかも・・・・

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このちょっぴりしたお年玉をくれた方々へ、感謝の印としてしっとり落雁を贈ろうと考えています。自分が感じた「ちょっと得した」という気分を少しでも味わっていただけたら幸いと思っています。

2019年1月14日 (月)

「落雁木型と彫像展」の紹介-8 

「落雁木型と彫像展」の紹介-8                        平成31年1月14日
                                                                         雪 爺
第八回 三国志群像-後編

曹操と魏の群像(像の高さはすべて六寸前後です)

郭嘉と曹操

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典韋、夏候惇と張遼

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その他の群像

董卓、貉蝉と呂布

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水鏡先生と袁術

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2019年1月 1日 (火)

「落雁木型と彫像展」の紹介-7

「落雁木型と彫像展」の紹介-7        平成31年1月1日
                                       雪 爺
あけましておめでとうございます。今回から彫像編を紹介し ます。

第七回 三国志群像-前編

劉備と蜀の群像(像の高さはすべて六寸前後です)

劉備と張飛

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孔明と関羽

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孫夫人と趙雲

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黄忠と馬超

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孫権と呉の群像

黄蓋と孫権

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周瑜と魯粛

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2018年12月27日 (木)

誕生祝い用落雁

誕生祝い用落雁               平成30年12月27日
                                     雪 爺
クリスマスの朝、下の息子に「知人の娘さんへの誕生祝いに落雁をやるので適当なデザインを見繕って27日までに作って欲しい」との依頼を受けました。日頃、パソコンのトラブルでは面倒をみて貰っているのでむげにも断れない。
この年の瀬も押し迫った中、それに見合うような木型を物色したのですが、これといったものが無く、いっそのこと「誕生祝いの木型を作ってしまえ」と、俄か仕立ての木型を2日掛かりで仕上げました。下の写真に示すように「祝誕生日」としごく単純に四文字落雁としました。

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箱入りにするに当り、これに以前作ったトランプのハート、花尽くしの木型を組み合わせ、下のような配置の誕生祝い用落雁を作りました。

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また、包装カバーのデザイン、時間があれば版画で作りたかったのですが、今回はネットのイラスト集から拝借しました。

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2018年12月14日 (金)

「落雁木型と彫像展」の紹介-6 

「落雁木型と彫像展」の紹介-6        平成30年12月14日
                                          雪 爺
第六回 自作落雁木型-2

現代の行事などをデザインして彫ったものの一部を紹介します。

ハロウイン
     木型サイズ 60mm x 150mm
     彫物サイズ 28mm x 29mm

Photo

クリスマス
     木型サイズ 100mm x 150mm
     彫物サイズ 58mm x 59mm, 28mm x 29mm
 海外に住む友人たちにクリスマスカードに添えて送ったりしています。

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初春、お多福、松竹梅
     木型サイズ 100mm x 150mm
     彫物サイズ 29mm x 58mm, 28mm x 29mm
 正月、年始の挨拶の折に使用しています。

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小鯛
     木型サイズ 100mm x 180mm
     彫物サイズ 90mm x 128mm
 結婚、入学、卒業などのときに使用しています。

Photo_4

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